The End of a Long Day

夜。あなたは、
もう、くたくただ。

やっと座れた、と思ったのに。
——家族の「おなかすいた」は、待って、くれない。

Not Tonight

今日は、ちゃんと、
作れない。

品数も、彩りも、今日は、むり。
——ごめんね、と、心のどこかで、思いながら。

Five Minutes

鍋に、湯をわかす。
乾麺を、ゆでる。

それだけの、五分の、晩ごはん。
——手をかけられなかった、うしろめたさと、いっしょに。

One Sip
なのに、ひと口で。
「あ、ちゃんと、してる」。

手を抜いたはずなのに。急いだはずなのに。
——なぜか、その一杯は、ちゃんと、おいしい。

Just Pour It

かけるだけ。
それだけ、なのに。

そうめんも。うどんも。ありあわせの、卵とじも。
——なぜか、ちゃんと手をかけた、味になる。

One More Bowl

子どもが、
「おかわり」と、言う。

たいしたもの、作っていないのに。
——あなたは、ちょっとだけ、救われた気が、する。

But, Why?

ふと、思う。
なぜ、かけるだけで、
この味になるんだろう。

考えたことも、なかった。いつも、そこに、ある一本。
——その答えは、遠くの、静かな蔵にある。

Behind That One Bottle

その一本の、うしろに。
四つの季節が、ある。

あなたが、ほんの数秒で、かたむける一本。
——そこに辿り着くまでの、長い、長い時間がある。

Someone Who Didn’t Rush

木の桶の中で、
春夏秋冬を、ひと巡り。

早く仕上げる方法なら、いくらでもあった。
——それでも、急がずに、季節が巡るのを、待った人がいる。

Nothing Added, but Time

足したのは、
時間だけ。

味をごまかすものは、何も、入れない。
——あなたが五分で使う一本に、一年を、かけた人がいる。

Even on Tired Days

だから、疲れた日でも。
あなたの食卓は、
ちゃんと、おいしい。

ごめんね、なんて、もう、思わなくていい。
——かけるだけで、あなたは、ちゃんと、家族を満たせている。

佐々長醸造
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