The First Cry

あなたが、
生まれた日。

はじめての泣き声が、響いた。白い、病院の一室で。
——あなたの一生は、頑丈な建物の中から、始まった。

Where You Grew

背の順に、
並んだ日々。

学校の教室で、友だちができ、はじめての夢を持った。
廊下を走り、階段を、駆け上がった。あの、何年か。

The Years of Work

はじめての、
給料日。

職場で、汗をかき、失敗して、それでも、誰かの役に立った。
あなたの毎日が、この社会の、どこかを、回していた。

Coming Home

「ただいま」と、
帰る場所。

あの棟の、あの部屋。眠り、また朝を迎え、家族と、暮らした。
なんでもない一日を、何千回も、重ねてきた。

The Longest Night

いちばん、
心細かった夜も。

病院の廊下で、大切な人の報せを、待った。
そのどれもが——崩れない建物の、中で。

Through It All
台風の夜も、
地震の朝も。

その建物は、びくとも、しなかった。
何十年もの、ただの一日一日を、守り抜いて。

What Held It All

あなたの一生を、まるごと
支えていたのは。

派手な何かじゃない。一つずつ、積み上げられた、地味なコンクリートのブロック。
街をつくる、いちばん小さな単位。

For a Stranger's Life

その一個を、あなたの顔も
知らずに、積んだ人がいる。

何十年先、そこで生きる誰かの、一生を思って。
ひとつも、手を、抜かずに。

So You Could Live

だから、あなたは、
一生を、生きてこられた。

崩れない場所の上でしか、人は、安心して生きられない。
それは、当たり前、じゃなかった。

What Was Protected

壁が守っていたのは、建物じゃない。
あなたの、一生だ。

いちばん頑丈なものが、いちばん静かに、あなたの一生を、抱えていた。

The Next Life Begins

あなたのあとも、その場所で、
誰かの一生が、始まる。

生まれ、学び、働き、帰り、また、誰かを見送る。
——長く残るものを建てるとは、次の一生を、迎える支度をすることだ。

古本建設
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